2023年3月25日(土)
最寄り駅で人と待ち合わせをして、改札前に立っていたときのこと。駅の改札から杖をついたお婆さんが「邪魔!」と叫びながら飛び出してきた。その後、改札を抜け、駅構内を進む際も「行く道をふさぐな!」「子どもは親が見とけ!」と矢継ぎ早に叫び声を上げながら去っていった。 ふと改札の向こうに目を戻すと、去っていくそのお婆さんを、彼女と同年代のお婆さんが、ニコニコしながら目で追っていた。穏やかで善良な印象を受ける優しい笑顔だった。背筋は伸びていて、身なりもきれいだ。 そのお婆さんは私と目が合うと、人差し指で自分の頭を「トン」と叩いた後、指の先をクルクル回すジェスチャーをしながら改札を抜けて去っていった。正直なところ、将来どちら側になるのもいやだと思った。